スニオン岬に行くため、シンタグマ広場近くのバス停で私がバスを待っていると、一台のタクシーが目の前に止まった。タクシーの運転手のおじさんが顔を出し、にこやかに私に話し掛けてきた。「今日はバスは休みで、いつまで待ってもバスは来ないよ!」というではないか。“そんなはずはない!”とも思ったけど、今日はギリシアの休日かなにかでバスが休みのこともあるのかもしれないと思い、ついついそのおじさんの言葉を信じてしまった。
おじさんはスニオン岬に行きたいならタクシーで行けばいいと誘ってくる。バスで2時間もかかるところにタクシーで行ったらものすごい料金になると思い、もちろん断ったがおじさんはしつこく食い下がってくる。料金も安い値段を提示してきたので(いくらか忘れてしまったがかなり安かった)、私としたことが、つい誘われるままに乗ってしまったのであった。
多分、これまでギリシアのあちこちでたくさんの人に親切にしてもらい、このおじさんも同じ様な人だと思ってしまったのだと思う。まったく私の大誤算であった。
タクシーに乗るとおじさんは、まず色々なお土産ショップを宣伝し始め、友達がこの近くでいいお店をやっているからいっしょに買い物に行こうなどといい始めたのだ。私はとにかくお土産にはまったく興味がないので、とにかくスニオン岬に行くよう伝え、それには応じなかった。
すると、おじさんはお土産売り場がダメならと、今度は私を口説き始め自分の家に行こうなどと誘ってくるのであった(あきれるオヤジだ)。「ハァ〜?」って感じで、もちろんそれにも取り合わず。ひたすら無視をし続けた。
シンタグマ広場を出発して、それほど行かないところでタクシーは止まった。ここがスニオン岬だとおじさんは言うが、どうみても違う。しかもアテネからあまりにも近すぎる。そのことを私が言うと、「スニオン岬は遠いから、とりあえず近くの観光名所に連れてきた」などとごまかすおやじ。もしかしたら、あのおじさんは最初からスニオン岬になど行くつもりがなかったのかもしれない。
そこは今でもどこだかわからないのだが、岩をくりぬいたところに牢屋のような遺跡があるところで、本当かどうか怪しいがおじさんいわく「プラトンが幽閉されていた牢屋だ」とのこと。
とにかく、スニオン岬に行くと言ったのに、途中で寄り道したりしてこの頃にはまったくおじさんのことを信用できなくなっていた。
私もこの辺で降りればよかったのだが、そこがどこだかわからないのでとりあえずスニオン岬を再度目指すことにしてタクシーに乗り込んだ。助手席に乗らされたのも悪かったのだが、タクシーを走らせながらこの後もおじさんの口説きは続いた。しかもそのうちキスまでしてこようとするのだ!!
完全に怒った私は、ここでぶち切れおじさんに向かってすごい勢いで文句を言った。するとおじさんも開き直った。そもそもお土産売り場への誘いも断り、おじさんの誘惑にも乗らなかった私は、おじさんにとってももう用済みと思われたらしい。おじさんの開き直り方はすごかった。
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