夕べはなぜだかあまり眠れなかった。私もみんなと一緒に遊びたかった、という思いがまとわりついていたせいだろうか。でも今日は朝6時30分発のバスに乗って、アテネに帰る予定だった。朝5時に起きだし、まだ暗いうちにホテルを出発し、バス停に向かった。
無事にバスに乗ることができ、ほっとしたのもつかの間、30分くらいして海沿いにあるピルゴスという町でなぜだか下ろされてしまった。
私が乗ったバスはピルゴス行きだったのだろうか。よくわからなかったが、ピルゴスでまたどうにかアテネ行きのバスに乗り込むことができた。が、そのバスはアテネまで直通ではなかったらしく、あちこち色々なところで停まったものの、どうにか長時間かけてアテネにまでたどり着くことができた。
途中で私の隣の席に、ギリシア人の若い女の子が座った。今時の女の子って感じで、ウオークマンで音楽を聞きながら、ガムをくちゃくちゃしている。いかにも派手なティーンネイジャーといったいでたちである。
この時20代半ばであった私は、多くの人がそうであると思うが、若くて派手な子が近くにいたりするとちょっと緊張してしまう。自分とは別世界の生き物のような気がするのだ。まだ完璧なおばさんにまではなっていないので、そういう子達を目を細めてかわいいと思えるほど、人間的な余裕ができていないのだろう。少なくともこの時の私はそうであった。
なるべく女の子のほうは見ないで、知らん顔をして座っていた。彼女も私のことなんてまったく興味ないと思っていたのだが、あるドライブインでバスが止まった時、なんと売店でお菓子を買ってきてくれて私にくれたのだ!
お菓子を受け取った私はびっくりして、「え、もらっていいの?!」とどぎまぎしてしまい、本当にいいのって女の子に確認してしまった。彼女は当然のように“いいから”とジェスチャーで言い、何事もなかったかのようにそのあと過ごしていた。
彼女からみて私はいったいどのような人に見えたのだろうか。日本人はよく幼く見えると言う。日本人の中でもどちらかというと若く見える私は(よく年齢不詳と言われる)、彼女からみて年下の一人ぼっちでかわいそうな女の子に見えたのだろうか。
まあ、どうに見えようと私は彼女のその優しさがとても嬉しかった。ちょっと引いた目で彼女を見ていたことを申し訳なく思い、ありがたくそのお菓子をいただいたのであった。
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