そしてまた、帰りが試練の船旅であったのだ。強風はやむどころかさらに強くなっている。帰りも往きと同じく小さな船。来た時よりも船の揺れは一層ひどかったのだ。
小さな船にも一応、真ん中は小部屋みたいに壁と天井が申し訳程度付いていたように覚えている。が、とにかく船の壁に必死でつかまっていても海に振り落とされるのではないかというほど船が揺れに揺れたのだ!観光客は私くらいしか乗っていなかったように記憶している。
遊園地の何かの乗り物かと思うくらい、左右にぐらんぐらんとものすごい角度で揺れ続けたのだ。まったくもって船酔いするどころの揺れではなく、振り落とされないよう必死で、気持ち悪くなる余裕もなかった。
この時、少し死を覚悟したように思う。でも船のおじさんは特に焦った様子はなかったので、よくあることなのかもしれない。でも私は初めての経験で、もうここで海に投げ出されて死ぬのかもしれないと思ったのだ。
人間死を覚悟するとどうなるのか。私は特殊なのかもしれないが、信じられないことに、この後猛烈な眠気に襲われたのであった!必死に船にしがみつきながらも、眠くて眠くて仕方がない。ちゃんと起きて力を入れてつかまっていなければならないのに・・・と思うのだが、私の意識は眠気で、時々“フッ”と飛ぶのであった。
“いや、ダメだ。眠っちゃいけない”と思いながら、カクンと居眠り。そして“いけない、いけない”と思い目を覚ます。この繰り返しをしているうちに、どうにかミコノス島にたどり着いた。ミコノス島にたどり着くと、途端に眠気は覚めたので、あれは死の恐怖をまぎらわすために起きた人間の防衛反応なのではなかろうか、と今でも不思議に思っている。
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