13時30分近くなり、バス停に行くと、ドイツから来た日本人の男の子ももう来ていた。そこへどこかの町からやってきたバスが到着。なんとそのバスから、アテネに着いた時、空港から一緒にアテネ市内に向かった、一人旅の大学生の彼が降りて来たのである!!もう二度と会わないだろうと思っていたのに、こんなところで再会でき、お互い感動のびっくりであった!!
彼も私と同じ様に、ずっとギリシアのあちこちを旅してきたと言っており、約2週間前に別れた時よりも日焼けして、たくましい感じに成長していた。話し方まで最初会った時よりもはきはきと元気のいいものに変わっている気がした。一人旅が彼の何かを変えたのかもしれない。少しの間彼と他の町の情報交換をしたり、自分のこれまでの旅を話したりした。そして私はアテネへ、彼はデルフィ滞在のためそのままそこで別れた。
広いギリシアの中で、たまたまこんな小さな町で出会うなんて・・・。デルフィはいくら有名な観光地だと言っても、お互いちょっとバスの時間がずれていたら、再会しなかったのだ。だからといってこの後、彼と運命的な何かが待っていたわけでは当然なかったが、その偶然は私の旅の印象的なエピソードの一つとなった。
その後もバス停で、アテネに帰る2人の日本人の男の子と一緒になった。彼らは2人とも一人旅で、やはり大学生であった。こうしてドイツからの男の子と私、それにその2人をあわせて4人で一緒にアテネに帰ることになった。
バスはアテネに向かって走り、途中でドライブインに寄って休憩した。すると、なんてことか、あのデルフィ遺跡であった関西からのツアーの人たちのグループも休憩していたのだ!!向こうの人たちが先に私に気づき、大声で手を振っていた。微笑ましい光景であった。おじさんも無事にここまで来た私をみて、きっと少し安心したに違いない。感動の再会を果たし、そして再び別れていった。
夕方、私たちのバスも無事にアテネに着いた。アテネに着くと、ドイツからの男の子と、一人の大学生の男の子はこれから一気にクレタ島まで行くという。もう暗くなりかけているというのに、いやはや、すごい行動力^^;大学生の男の子は、あの有名なパルテノン神殿をちらっと見上げ、「よし、パルテノン神殿はもう見たぞ!!」と自分自身納得し、クレタ島へと去っていった。みんな面白い人ばかりだ。
残った大学生の男の子と私の2人は、アテネに滞在するので、せっかくだから夕食を一緒にとることにした。お互い一人旅だと、なかなか豪華な食事ができないので、せっかくだから豪華な食事をしようということになった。
一人ではあまり色々なものを頼めないので、今日こそはとカラマリア(イカの唐揚げ)にムサカ(ギリシア風ラザニアみたいなもの)、それにチーズフライなど代表的なギリシア料理を色々頼んだ。ここで初めて、ギリシアの特殊なワイン、レツィーナというものも飲んでみた。
昔ワインは山羊の革袋に入れていたらしいが、その栓に粘着力のある松ヤニと木を使っていて、その松ヤニが自然に溶けてワインに入った、それがレツィーナの始まりだという。松ヤニの香りのするワインなのだ。少々くせがあり、私は普通のワインのほうがおいしいと思ったが、ギリシア人にとってはたまらない味らしいので、ギリシアに行ったら、一度は味わうのもよいと思う。
彼とおいしい食事をたらふく食べ、遅くまで旅行の話で盛り上がった。彼は、ロンドン→パリ→ギリシアと来たらしい。お互い乗ってきた航空会社の話でも盛り上がった。
彼が言うには、ブリティッシュ・エアウエイズに乗ってギリシアに来たが、パイロットの運転がイマイチだったという。なんでも着陸する時、すーっと滑らかに降りてくるのではなく、階段状に「ストーン、ストーン、ストーン」て落ちていくような感じだったというのだ。このような話をまるで武勇伝のようにお互い話し、おおいに笑った。
若い頃って(私は20代半ばだったので若い部類に入れていいのかどうか・・・)、本当にどんなことも楽しめるんだなって思う。貧乏旅行のようなきつい旅も苦ではないし、トラブルも過ぎてしまえば、笑い話となる(人にもよるのかもしれないが)。またそのようなトラブルが武勇伝みたくなったりするのだ。
30代になった今、私はもう貧乏旅行はできそうもない。体力的にきついし、あの頃よりも多少お金を持つようになったせいもあり、ちょっとお金を出していいホテルでゆっくり滞在したい、とか、できれば飛行機はビジネスクラスに乗りたい、などと贅沢なことをのたまうようになってしまった(ビジネスクラスで旅行することは実現していないが、いつかそういう身分になりたい)。
人生には年相応の楽しみ方や楽しさがあるのかもしれないと最近は思う。若い頃は、旅行は貧乏旅行に限ると思っていた私だが、最近めっきり体力が衰えてきた私は、もうちょっと贅沢な旅行をしてもいいのではないかと思うようになったのだ。えらい変化だ。
もちろん体力や気力がある人は、いくつになっても貧乏旅行(節約旅行)をするのは楽しいことだと思うが、私のようにきつくなったら無理をせず、自分(の体力)にあった旅行を楽しむようになればいいのではないか、と思うこの頃である。
こうして、この日もまた色々な人に出会い、色々な話を聞き、また改めて一人旅に来てよかったと思う私であった。
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