たび猫のギリシャ旅行記

ギリシャ旅行８日目

ギリシャ旅行８日目：美しいオリンピアの遺跡

　ホテルに荷物を置いたらすぐに、オリンピア遺跡に行ってみることにした。オリンピアの遺跡はオリンピアの町の一番はしっこにある。町のはずれの緑のおい繁る中に、遺跡があるといった感じだった。

　私が行ったのはオフシーズンの３月で、しかも夕方だったので、観光客はほとんどいなかった。静かな自然の中、ゆっくり遺跡を堪能することができた

　ここの遺跡群は、どれも紀元前のものばかりである。もちろん建物全体が残っているわけではなく、柱の土台とか建物の一部とかが、緑の草原の中に残っているという感じだ。でもそれだけでも十分に古代の雰囲気を感じられる。とても静かで山あいの美しい自然の中、このような遺跡を見られるなんてとてもぜいたくだと思った。

　特に、私はほとんど観光客がいない時期だったので、遺跡のくずれた石の上に腰かけ、鳥のさえずりなどを聞きながら、ゆっくりと自分の世界にひたることができて本当に幸せな時間を持つことができた。周りには野の花も咲いていて、本当に静かで平和な景色だった。ここで美しい景色を見ながら、自分の物思いにふけり、「私はなんて幸せなんだろう。一人旅でここに来て本当によかった」とつくづく思ったものである。

　このオリンピアの遺跡の奥のほうに、スタジアムというところがあり、ここが古代オリンピックが行なわれていた場所である。アテネの近代オリンピック競技場でも感動したので、もちろんこのスタジアムをみることを楽しみにしていた。

　スタジアムは、紀元前４世紀中頃に造られたらしい。入り口はアーチ状のアーケードになっており、そこをくぐって中に入ると、原っぱのようなスタジアムがあった。

　もちろんアテネの競技場にくらべれば、なんてことのないただの原っぱに見える。観客席が残っているわけではなく、馬蹄型のトラックの周りは、草地のなだらかな斜面になっており、ここが古代の観客席だったのだろう。でも、これだけでも十分雰囲気は伝わってくる。当時はこのスタジアムに２万人収容できたらしい。

　今みれば小さなスタジアムだが、当時にしてはすごいものだったのだろう。2000年以上の昔、私が今立っているこのスタジアムでオリンピック競技が行なわれていたと思うだけで、なんだか胸がいっぱいになるのであった。

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