ノボテルホテルというのは、けっこう高級なホテルなのだと思う。その後、ヨーロッパの国々に何度か行くことがあったが、国際的なホテルなのか、他の国々でも見かけたことがある。どれも建物が大きく、高級そうだったからだ(貧乏旅行ばかりしていた私から見て)。
モスクワのノボテルもそうだった。建物は高層で、とてもきれいだ。玄関も豪華で、「うわー、こんないいホテルに泊まれるんだ!!」と感激していたら、なぜか私たちが乗ったワゴン車は豪華な玄関の前を通過し、社員が使うような通用門みたいなところに泊められ、ここから中に入れと言う。どうやらトランジットのための宿泊者は、ビザを持たないため、正式なお客とは認められないらしい。
そして、明らかに普通のお客さんが使うものではないエレベーターに乗せられ、かなり上の階まで連れて行かれた。そしてエレベーターを降りて廊下に出ると、エレベーターと廊下の間のドアにはしっかりと鍵をかけられ、勝手にエレベーターに乗れないようにされてしまった。
廊下に出ると、たしかにきれいな廊下と部屋がいくつかあり、普通の高級ホテルと変わらないような気がするのだが、何かが違う。よく見るとこの区画だけ廊下が壁で区切られていたのだ!廊下の途中に壁というか鍵のかかった頑丈な扉みたいなものがあり、私たちトランジット組はこの階のこの区画からまったく外には出られないようになっていたのだ。さっき書いたように、エレベーターに乗るところにも鍵をかけられているので、まさに監禁状態。
そして、私たちトランジット組は一人ずつ部屋をあてがわれ、明日の朝までここで過ごすのだが、どうやら夕食というのは出ないらしい。まったくそんなことは考えていなかった私は、食べるものなど持っているはずもない。他の多くのトランジットの人たちもそうだったに違いない。
残酷なことに私の部屋からは、ホテルのロビーが見下ろせる窓があった。下にはとても高級そうで優雅な感じのレストランがあり、人々が楽しそうに食事をしたりしている。私とI君は、私の部屋からその様子を指をくわえて眺めていたのだ。初めてのモスクワでのトランジットは、強烈なものだった。どうやら明日の朝、朝食だけは出るらしい。それを楽しみにして今日は大人しくさっさと寝ることにしよう。
こんな状態だったが、ノボテルホテルはとてもきれいで高級そうなホテルであった。これから先、貧乏旅行の私にとってこんなホテルは二度と泊まれないだろうというようなものだったので、部屋だけはゆっくり楽しむことにして、使えるものを使い、優雅な気分で眠りに就くのであった。
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